幻の普若崗日の氷河
今日は班丈から双湖まで普若崗日の氷河を見に行く、旅前半の山場いや氷河場だ。
南極北極の次に広い氷河といわれているが、日本人どころか中国人さえほとんど行っていない所だ。事前にグーグルマップの貼り付け写真で見てみたがあまりよくわからない、砂漠に氷が転がっている感じだ。どんな氷河が現れるのだろう、期待に胸がはずむ。
崗日はカンリと読む、カンは雪、リは山、雪山という意味、チベット語のあて字だ。
朝早い道を双湖へと向かっていく。
また次々と湖が現れる。
そして野生動物、野ロバ、カモシカ、ツル、この辺りにはたくさんいる。ちょうど昼の月が出ていた。
セリン湖のまわりをツルが舞う、いくつも群れを作って。見上げているとなんとなく優雅な気分になれる。
美しい湖のほとりで撮影休憩をしていると、ウリさんが出発前に渡した地図を持っていないかと聞いてきた、なんか変だ。
地図を見ていたウリさんが、これから少し戻ってニマに行きます、ルート変更します。と言った。
え、氷河は⁈
橋が落ちて行けなくなりました。
え、そんな!
こんな所に橋なんかあるのか、湖以外水らしきものはない。川など見当たらないし、湖の水も動いているようには見えない。
ラサの旅行社から連絡があったみたいだ、よりによって今落ちなくったって。
全員ガッカリ、みんな氷河の写真にかけていただけに…。
しかたない気を取り直してまたガタガタ道をニマへと向かう。
遊牧民の家があった、何軒か並んでいた。夏期専用の家ではなく一年中住んでいるみたいだ。店も兼ねているのかカップ麺が置いてあった、昼飯はこれに決まった。
運転手たち三人は、チュンペイの持ってきたツァンパをバター茶をもらってこねて食べていた。
やはりチベタンはツァンパなしでは調子が出ないぜ! ってところだろうか、この後も時々昼飯にバター茶のある店があるとツァンパを食べていた。
隣の家で男達が働いていた、囲いから出す羊の背に赤い塗料をぬっているみたいだ、ほかの家の羊と一目でわかるようにするためだろうか、6人くらいでやっている、大仕事だ。
ここから出す、たくさんいる。
この男が羊を押さえ、オヤジが塗料を塗る。
と、思っていたが写真をよく見ると手前の男が注射器を持っている、何かの予防接種らしい、注射の終えた羊に印をつけていたのだ。
注射しているところを見なかったのでわからなかった。
しばらく行くとまた湖が現れる、いくつ見てもあきない、美しい。
多すぎて湖の名前を覚えきれない。
次のパム湖には湖畔に丘があった、4610m。
あえぎながら登ると信じられないような青い空が現れる。
突然青空になるわけではない、他のことに気をとられていてふと上を見ると、見たことのない空が広がっているのだ。
丘の上から見ているとタカが現れた、チベット語でチャゴ。どうやら絶壁の影に巣があるようだ。何羽も現れた。
もう一つ湖を見てニマの町へ。
ニマの町、いろいろ建設中だ。
氷河は幻に終わってしまったが、その代わりに美しい湖をたくさん見た。みんなそれで満足して夕食の店を探した。
食後、高山病でみんなに迷惑かけちゃたからここは起死回生の一発と思い、中国語で考えたギャグを言ってみた。
チュンペイ、準備(zhun bei) 好 了 嗎 ?
あまり反応がない、チュンペイはうれしくなさそうだった。ロサンだけが笑っていた、いちおう通じたってことか。
あえて説明はしない。