獅泉河から札達/ツァンダ
山脈を抜ける、ついにヒマラヤ山脈が見えるぞと思ったが、そうではなかった、また山脈が横たわる。
ちょっと休憩、天然のドライフラワーかと思ったが、さわると飛んでいった、タンポポみたいに。
11時半ごろナムルのチェックポイントに着く、パラピンカンとも言うらしいおもしろい名なので覚えていた。
どこに行くにも検問所がある、通行チェックとタイムチェック、いやというほど頻繁に現れる。着くとロサンが許可証を持ち運転手二人もついて行く。一度全員パスポートを持ち並ばされた所もあった。
私達は車の中でじっとしている、周りの景色が美しいからといって外に出て写真など撮ることはできない、公安にあやしまれ捕まる。そういう事が厳しくなっている。
南に入る、山の中の道だ。こんな感じの道を行く、ここからが美しかった。
一つ目の展望所、たぶんオボというのだと思う石積みがたくさん並んでいた。
新しくできたらしい展望所があった、上海から来たという大学生らしい女性グループがいた。僕らは東京から来ましたと言うとざわついた。仲間の内の二人が日本語を勉強中だったのだ。
少し話をする、日本にも何回か旅行していた。
沖縄と長野に行きました。ずいぶんシブい所に行ったんですね。と言うと笑っていた。シブいが通じるくらい日本語ができる。
大きな川の向こうに町が見えてきた札達だ。昼をずいぶん過ぎていた、土林の中にあるピャンとドゥンガの遺跡を見に食事をしてまた出発した。
ずごい所だがこれだけ見ると少しあきる。
ピャンに着いたが山があるだけで壁画のある遺跡が見あたらない、そのうちロサンが遺跡の鍵を持つお年寄り夫婦の家を見つけ無事遺跡の内部を見物。
ここの壁画も紅衛兵に壊されているが、幾つかは残されていた。撮影は自由だ、しかし内部は真っ暗でうまく写せない、みんなの懐中電灯の灯りを頼りに写してみた。
現代のチベットのお寺とは違い、敦煌の壁画にちかい。
次はドゥンガだ、やはり貴重な壁画がある所だ、しかし、夕闇が迫ってきた、もう宿に帰らないと暗くなる。ドゥンガ見物は中止になった、美しい遺跡の写真を見ていて期待したのに。残念。
ガイドブックなどの地図を見ると、行けなっかたドゥンガ辺りまではそう遠くなく思えるが結構時間がかかる、山の間を曲がりくねって行くからだ。その昔この辺りに王朝があり札達はその首都があったところだが、こんな感じででこぼこ、そして広い平地がない、それでも住んでいたのか、食料はどうやって調達したのだろう。
夕暮れの中を札達の町へ。
食後、町の通りを歩いて帰る途中ネットカフェならぬネットバーがあった、のぞいてみるとみんなゲームに 夢中だった。