25日間西チベット一周・チャンタン高原とカイラス巡礼

2015年9月26日から10月20日までラサから北回りでアリまで、帰りは南回りでラサまで旅した記録です

カイラス巡礼その2


今日もいい天気だ、早く起きて写真など撮り、出発。

昨夜はけっこう疲れてよく眠れたようだ、でも標高のせいか何度か目は覚めた。よく眠っていたわよとHさんに言われた、そうとういびきをかいてたな。

 
まずはドルマ・ラ(峠)を目指して出発、9時45分。

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歩き出して少ししてから振り返るとゴンパが山の斜面にはりついていた、小さく見える。

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Tさんはこの辺りで用を足していた、私もそうすればよかった。隠れるところはいくらでもあるし、これはオススメです。暗くきれいとはいえない寺のトイレを使うよりはるかに気持ちがよさそうだ、なによりカイラスが見守ってくれている。

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北壁からも帯のように山を引きずっている、いったいどんな形をしているのだろう。
 
 

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ここからがたいへんですよ厳しい斜面を登ります、そして下りも厳しいです。と言われたとおり長く続く上りだ。あそこが峠だと思ってはりきるがまだまだ先だ、そんな繰り返し。

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だんだんカイラスが見えなくなっていく。この後カイラスを見ることはない、まだ半分だというのに。
 

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途中タルチョがはりめぐらされた少しくぼんだ所を通る。年配のご夫婦がタルチョをはっていた、しばらく見ているとはり終わってから香を焚いて祈っていた。

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高い所におじさん。

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こちら側におばさん。この二人にはその後何回か会った、普蘭の町でも。

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香を焚いている。
 
 

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峠までもう少し。
 
 

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やっと峠に着いた、両側の斜面にタルチョがはりめぐらされていてきれいだ。

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着いたのが一番早かった、余裕を見せてタルチョに横たわり休んだ。ロサンが来たので写真を撮ってもらうと、タルチョに乗ってるせいか少し不機嫌だった。

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右の写真は何をしているのかといえば、ルンタを投げているところをバッチリ撮ったつもりだが……この撮影はなかなかタイミングが合わず難しい。モデルとルンタを投げる人を別にして撮ればそれらしい写真になるかも。

 

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いつの間にか僧侶が二、三人来て座りお菓子などを食べている、お前らも食べろとすすめてくれる。後から来たHさん達と一緒にごちそうになった、そうだ昼食べてないからちょうどよかったねなどと言いながら、けっこう食べた。

チベタンもラでピクニックするのを楽しみにしているようだ、いく組か座を囲んでいた。

チベット好きで何度も訪れているHさんが、きれいに折りたたんだケサを、なんと五、六枚も家から持ってきてタルチョに結びつけている、またここに来れるようにと…少し手伝う。



お約束のルンタを一人ずつ投げ撮影して全員満足。いざ下りだ、みんなストックを取り出して歩く。下りを苦手としている私にはこれからがたいへんだった。

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ちいさい伝説の湖、ヨクモ・ツォが見える。道は最初のうちは土に砂利の道だったが、そのうち大きな石ころが重なった上を歩く。実に歩きにくい。道を間違ったのではないかと思うほど。

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これより大きな石が延々と並んでいる。

しかしおぼつかない足取りで歩いているのは私くらいで、山男二人はどんどん下って行く、大きく引き離されてしまった。こんなところはいつも歩いてますから平気ですと言っていた。

どのくらい歩いただろう、ずっと先を行っていった三人が休憩できる平地で待っていてくれた。

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休憩した所の右手にあった山。
 
しばらく休んで、もう少し下る。そしてテントのある休憩所に。

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左の上から降りてきた、下りはここで終わり。

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休憩所のテント。

下りは写真どころかろくに動画さえなかった、転ばないようにするのに必死で、景色などどうでもよかったのだろう。
 
チベットも温暖化の影響をうけているのだろうか、3、4年くらい前同じ時期に巡礼した人のブログを見ると、けっこう雪があった。よかったこの上雪道の下りだったら大変だった。
14分52秒

youtu.be

 
 
テントにはチベタンのグループがいく組か来た、どこから来たのか聞いてみたら、一組のグループがパンゴンツォからだと言った。あのラダックで人気の湖の中国側に住んでいるのだ。

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よく考えればどこにでも人は住む、別に大したことではなかったが、去年ラダックに行ってきた私と、ラダックファンのHさんは感激してしまい写真に撮った、まるで運命の出会いであるかのごときに。

ずいぶん時間が過ぎていた、これからズトゥル・プク・ゴンパまでは3時間くらいかかると書いてあった。私やHさんはもう疲れてとても歩けそうにない。そこでチュンペイが車で迎えに来た。じつはウリさんが出発前に頼んでおいたのだ。

ネットの写真などを見るとここからは広い河原をずっと歩くようになっていた、もちろんカイラスは見えず景色も変化が少ない。そこで車で大金まで戻れば一日かせげてそれを他の山の撮影にあてられるってゆうことだ。

河原の両端には、いつ造ったのかきちんとした道ができていた。一台に六人乗って、車はゴンパを通り越して宿まで。最初は砂利道で慎重に走ったが、ゴンパからは舗装されていた。道は二本ありもう一つの道を、けっこう多くの巡礼を終えたチベタンが歩いていた。
 
雇ったシェルパが車に乗っているのを見たとHさんがいっていた。たぶん二人のシェルパは二日で大金へ戻るのを知り、峠を越えずもと来た道を戻ったのだろう。三日分金を要求したのに。

巡礼はそうゆう感じになってきている、峠の登り降り以外は、道は走りにくいが車が通れるようになっている、苦労して歩いている人のじゃまをしながら。あと何年かすると道が整備され中国人観光客がそう難しくなく巡礼できるところになりそうだ。
 
 
宿に到着、ついにカイラス巡礼をやりとげた。食事は待ちに待ったビールだ‼︎   五人とも酒は大好き、しかしカイラスが終わるまではと我慢していたのだ。

しかし突然の大酒大会とはいかない、350ミリ1本くらいずつで我慢した。ラサに着いてから約二週間よくみんな我慢した。体はすっかり高地に順応している今、その後の夕食については説明するまでもない。

宿は朝の寒さで蛇口が凍るせいか、各部屋に一つずつバケツの水が配られていた。
 
 
 
 

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楽しい巡礼だった、トレッキングもけっこうやれることもわかった。

しかし……なぜかいまひとつ満足が足りない。なんでだろう、たぶん一周ぐるっと歩いて回りたかったのだと思う。つまらない道があっても疲れ果ててもそんな満足感が欲しかったのかもしれない。